兄弟二人で両親二人分の遺品を一週間で遺品整理する

5年ほど前に父と母が続けて他界したときに、弟と二人で両親の遺品を整理しました。私も弟もサラリーマンなので、片付けをする時間が週末にしか確保できなかったのですが、それでも初めのうちは毎週末にせっせと片付けをしていました。

しかし、片付けを始めてから1ケ月が経っても家の中の風景が大して変化していないことに気付きました。夫婦二人が60数年暮らして残していったものとは、それほど膨大な量なのです。そして徐々に私も弟も「今週は用事があるから」と言い始めて、明らかに作業のペースが落ちはじめてきました。

家は賃貸だったので、長引けば長引くほど家賃も発生して、いいことは何もないことは分かっていたのですが、遺品を整理していると何となく悲しい気持ちにもなりますし、平日は仕事でクタクタになっているので「今週は休みたい」という気持ちがお互いに強くなってきた時期だったのだと思います。そこで私は、タイミングを合わせて有給休暇を取って、1週間で全て片付けることを弟に提案しました。

幸い、弟も同じようなことを考えていてくれたので、その提案を実行に移すことになりました。二人で作業を始めると、片付けは一気に進み始めました。何よりも感じたのは「捨てる捨てない」の判断がスグにできることの利便性です。週末に片付けを行っていた時は、必ずしも二人で同じ時間に片付けをしていた訳ではないので「これは不用品の買付け業者が買い取ってくれるかも知れないから後で二人で話して決めよう」と後回しにするものが多く存在していました。そして「後で聞こう」と思って、そのまま忘れてしまい結局その日は片付けられない、ということを繰り返していました。しかし判断を保留しているものが多くある状態では、粗大ごみの回収も依頼することもできず、家の中は片付けているのか散らかしているのかわからない状態になっていたのです。

遺品整理や不用品回収が一気に進んだのは判断が早くなったということが最大の要因でしたが、それ以外にもいくつかポイントがあったので要点を整理します。まず最初に整理するべきは、通常のゴミとして回収してもらえる衣類などが向いています。先述した通り、片付けているのか散らかしているのか分からない状態になってくるので、作業スペースの確保が重要になってきます。作業スペースを確保し続けるには、何よりも物量を減らすことが効果的です。しかし、遺品の中には不燃物なども多く存在していますので、いつでもゴミ回収に出せるとは限りません。そこで比較的回収頻度の多いものをまずは整理してしまいます。そうすることによって室内の散らかりを抑制することができます。

とは言っても、紙ゴミだからと言って書類関係の整理には注意が必要です。携帯電話などの契約書関係はうっかり捨ててしまうと、簡単に出来る手続きが非常に複雑な手続きとなってしまう危険性があります。読まなければいけない書類はどこか1箇所にまとめておいて、3日目あたりで整理するのがオススメです。あまり最後のほうに回すと、今度は解約手続きを行う時間が無くなってしまうので、やはり3日目あたりが良いかと思います。

また、車がある場合は買い取り専門店などに早めに相談しておかないと、必要書類を揃える時間が無くなってしまいますので、相談はむしろ初日にしておいた方が良いかも知れません。

粗大ごみの回収日や持ち込む場合の手続きも初日に確認しておくことをオススメします。結果的に1週間で両親の遺品整理はギリギリ完了できましたが、私と弟二人がそれぞれ5日間の有給休暇を取得したことを考えると、2万円×5日×2人=20万円程度の目に見えない支出があったと考えることもできます。その意味では、不用品の買付けもしてくれる専門業者に依頼したほうが安くて苦労も少ないかも知れません。遺品整理は始める前によく考えて始めたほうがいいですね。